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第3章 美和子と彩乃
 彩乃は美和子の舌の動きに翻弄されていた。

 湧き上がり続け、治まる事を知らぬ快楽が、全身を駈け巡り、脳天を突き抜ける。

 自分で弄っていた時、オナニーとは大違いだった。

 オナニーには何処か後ろめたい思いがあり、自分を失わない様にして、ある程度の快感で終わらせていた。


 しかし、今は違う。


 美和子の狂ったような舌遣いに、自分を失っていた。

 それは、自分の中にある自分でも気づかなかった同性への願望を自覚し、解放出来た事も大きい。

 素直に快楽を受け入れられた。

「……彩乃……」

 美和子がささやく。

「……なあに?」

 荒い息の中で彩乃が答える。

「わたしにも、して」

 美和子は言うと、からだの位置を変える。

 彩乃はぽうっとしたままで美和子を見ている。

 美和子のからだが彩乃の上に乗った。

 彩乃の顔の前には、美和子のおんながあった。

 疑似ペニスを入れた際に見えた、やや濃いめの陰毛に縁どられた美和子のおんなを彩乃は愛おしそうに見つめる。

「彩乃……」

 美和子の声が彩乃の開いた股辺りから聞こえる。

「綾乃も、わたしみたいにやって……」

 美和子は言うと、彩乃のおんなを貪り始めた。

 彩乃の全身を快楽が突き抜ける。

「彩乃、してっ! わたしにも、してっ! 彩乃の舌をちょうだい!」

 彩乃は少しずつ迫ってくる美和子のおんなを見ながら口を開けた。

 美和子のおんなが口に届いた。

 彩乃は自分がされているように、舌を動かした。

 溝を舌先でなぞる。

「いいわ。彩乃!」

 美和子が叫ぶ。

「もっと、ちょうだい! もっとぉぉぉ!」

 彩乃は言われるままに舌を動かす。

 彩乃の動きに合わせるように、美和子の舌も動く。

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