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あなたへ……千鶴子より
第3章 射精
私は、あのとき言いました。
「あなた……いくの? いくのね? 」
「うん」
「あなた、今日は中に……」
「はっ、はっ、はっ」
「おねがい、今日は中に出して……」
「はっ、はっ、はっ」
「欲しいの、あなたのが、今日は欲しいの! おねがい!」
「うん!」
「ほんとう? うれしい……出して、あなた、出してっ!」
「うん!」
「出してっ! 出してっ! おねがい、いっぱい出してっ!」
「はっ……あうっ!」
「出してーっ!」
私は叫びました。
私を揺さぶっていた激しい動きが止まりました。
そのとき、私の中で、ぴくん、と硬く跳ねあがりました。
私は無意識に掴んでいたお尻を自分に押し付けました。
もう逃がさない……。
おねがい……あなた、あなたので私の中をいっぱいにして……。

とくん。
とくん。
とくん。
「ああっ……」
私の奥で動いています。
何度も動いています。
ああ、出てる。
出ているのですね?
あなた……本当に出してくれたのですね?
ああ、私の中にあなたのがもらえて、うれしい……。
あなたのが私に染みこんでくる……。
あなたが私の一部になっていく……。
うれしい……。
うれしい……。

私は目を開けました。
いつの間にか涙がこぼれていました。
彼の力が抜け、私に身体が預けられました。
彼はまだ肩で息をしています。
私は彼の頭を撫でました。
彼が愛おしかった……。
昔、あなたにもよくしてあげました。
私は、何度も何度も彼の頭を撫でました。
彼は逃げませんでした。
あなた、許してくれますね……。


私は彼を家に連れて帰ります。

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