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あなたへ……千鶴子より
第4章 絶頂
見えましたか?
今度は私が彼の上になりました。
彼を中に入れ、私が動きました。
これからも、生きていてもらいたかった。
その彼の生きようとする証が、この身体にもっと欲しかったのです。
欲しかった。
もっと欲しかった。
私は彼の上で動き続けました。
そして徐々に私にも変化が現れました。

あなたは昔、私に言いました。
「自分のしたことが、人に至福の時間を与えることができた時、それが自分の生きる力になる……」
その時が来たのです。
私が、彼に、一番の生きる力を与えた瞬間が……。
私は彼にそれを伝えたかった。
私はそれを口にしました。

いく!
いくわっ!
きてっ!
あなたもきてっ!
あっ!
いくっ!
いくぅぅっ!!
彼が放ちました。
そして彼の力強い脈動に後押しされ、ああ……私も昇りつめたのです。

暗くて見えませんでしたか?
あなたには見てもらいたかった。
彼は私に至福の時を与えてくれました。
そしてそれは同時に、私が彼に生きる力を与えたということです。
そうでしょう?
あなた……。

ああ、私は昇りつめ、突き抜け、そして崩れ落ちました。
そのあとのことは覚えていません。
彼も初めての経験だったでしょうが、私も初めてでした。
男の人の精を、私の中に受けたことがです。
そして男の精を受けながら、昇りつめたことがです。
生の証、本能の証、それを身体に受け、絶頂する。
ああ、こんな瞬間があるなんて……。
私はいままで知りませんでした……。
まだ、私の身体にその余韻と彼の証が残っています。
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