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好きになってくれてありがとう
第7章 気持ちの変化
「気にするな。直におさまるから。
このまま続けると優しく出来そうにないし理恵もあんなことがあった後だから無理しないほうがいい。」
直ぐにと言ったけどスッキリはしないはず。
私のことを気にかけてくれて辞めたみたいだけど逆に気になって仕方がない。
「でも、辛くないですか?」
「自分の欲をそのままぶつけると傷付けそうだからな。それにこれから時間はいくらでもある。」
自分のことよりも私を気遣ってくれている翼さんは大人なんだろう。
こうやって自分のことを想ってくれる人にもっと早く出会いたかった。
今までの生活は何だったんだろうと思うくらい数時間いるだけの今が幸せに思える。
卓也といた時間は楽しかった時期もあった。けどそれは楽しいと思い込んでいただけなのかもしれない。
好きだと思っていたのは好きだと思い込んでいた情だったのかな。
誰かに想われることが幸せなこと、自分が誰かを思うことが幸せなことを実感した時間だった。
そんなことを思っているとそこからの記憶はない。
眠ってしまった私をずっと優しく撫でてくれたのは紛れもなくあなただった。