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好きになってくれてありがとう
第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜


それから次の日には理恵の退職の件がみんなに通達された。

後輩想いだった理恵の反響だろうか落ち込む社員もチラホラ目に見える。


理恵が入社したときからずっと一緒だったのにいきなり居なくなると大きな穴が空いたような気がしてならない。



事務所で書類を作っていても集中できない。
理恵のことが頭から離れない。


はぁ、ダメだ。
コーヒーでも飲みに行こうと休憩室に向かおうとしたときに事務所の内線がなった。


「はい、受付事務所、藤堂です。」

「あ、よかった。高山だけど今からこっちにこれるかな?」

「お疲れさまです。かしこまりました。伺います。」



せっかく休もうと思ったのに専務に呼ばれたら行かないわけには…

くそっ!
今日は絶対定時で帰ってやる。


俺は専務の部屋に向かって歩いてると次には携帯がなった。

仕事用の携帯じゃない。プライベートの方で俺は理恵かと急いででて名前も確認せずに理恵の名前を口にしてしまった。



「理恵って誰のことよ。」

この声は…
最悪な事態になったことを後悔した。


相手は幼なじみの松原恵(まつばらめぐみ)だった。



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