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第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜
「驚かせたかな?理恵は私の姪なんだ。
妹の子供でね。私達夫婦には子供がいないから理恵は本当に可愛い子だし癒やしでもある。」
名字が違うから分からなかった。
というか理恵はそんなことひと言もいってなかったから。
専務の話によるとここに入社したのは理恵の実力。口利きなど一切していない。
入社式でみて驚いたと教えてくれた。
「突然電話がかかってきて会社を辞めたいと。でも君には言えないから…と言っていたから。」
「そうだったんですね。
あの、実は理恵さんとはお付き合いをしていて一緒に暮らしていました。」
「ふん、なるほどね。だから理恵は私に言ってきたのか。理恵は藤堂くんのことが好きだったんだね。」
そうだとしたら嬉しいけどこんないなくなり方はないだろう。
「妹が入院しているのは大学病院だ。
面会は禁止のところだから病院で会うことは出来ないだろうから。
近くにいると通るときに話くらいは出来るんじゃないか?」
専務は笑って驚きの言葉を続けた。
「藤堂くんは働きすぎ。
上司命令として公休と有給ととっていなかった夏休みと冬休みを与えるから会いに行ってきなさい。」