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好きになってくれてありがとう
第13章 ただいま東京
二人で食べていると何やら後ろに気配を感じた。
ゆっくり振り返るとそこには大きなモフモフしたわんちゃんがいる。
その飼い主であろう女性は一生懸命リードを引っ張っているけど小柄な女性だったためびくともしていない。
「ふふ、かわいい!」
「ごめんなさい!ヨダレついてないですか?!
こら!ラッキー!辞めなさい!ってか離れて!!動いてよー!」
その声に翼さんも振り返り犬を見て立ち上がった。
「朝から散歩か。ほら、ママが困ってる。言うことを聞いてあげな。」
頭をくしゃくしゃと撫でてやると少し動いた。
すごい!賢いワンちゃんだ!って感心した瞬間
さっきのモフモフは翼さんに飛びついたのだ。
「おーお!元気だな。よしよし、分かった。」
顔をペロペロと舐められているのに嫌な顔せず犬との距離感を作っている。
「やだ!どうしましょ。ラッキー!!NO!!
本当にすみません。お召し物汚しちゃってるでしょ。クリーニング代お支払いします。」
「大丈夫ですよ。気にしないでください。
それより多分パンの香りに誘惑されたんだよな?」
「すみません。この子の好物なんです。
それってもしかしてKOTOBUKIのパンじゃありませんか?」