この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
好きになってくれてありがとう
第13章 ただいま東京
飼い主さんによるとラッキーというグレートピレニーズのワンちゃんはそこのパンが大好きだと。
確かに天然酵母パンだからアレルギー対応していると書いてあった。
小麦粉ではなく米粉で作られていると。
「好きだったのか。なら、これを。」
翼さんは先程大量に購入したパンの中から袋を取り出し飼い主の女性に渡した。
「シンプルなコッペパンです。よかったらどうぞ。」
「いえいえ、そんな!!私は近所ですのでいつでもいけるから。それに洋服まで汚してしまったのに…」
翼さんはここで会えたのもなにかの縁だからとそのワンちゃんのためにパンを渡した。
するとその女性は何度も頭を下げてお礼を言っていた。
そのあとパンの香りにつられて飼い犬に襲われそうになりながら帰っていった。
「朝から笑っちゃった!それにしても翼さん犬好きなの?」
「好きだな。小型犬よりはあぁいう大型犬が特に」
「たしかに可愛かった!犬か!夢のひとつだったりするのよねー、一緒に暮らすの。」
小さい頃犬を飼いたいと思ったことがあるけど一度も実現は出来ていない。
「なら東京に戻ったら迎え入れて暮せばいい。」
驚いて翼さんの顔を見るとすごく優しい笑顔でこっちを見ていた。