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好きになってくれてありがとう
第14章 帰ってきた二人


翼さんによってイカされた私は体の力が抜け洗面台の大理石の上に体を沈めた。

それと同時に部屋のインターホンが鳴る。


「コンシェルジュだな。ゆっくりお風呂入ってこい。」


一言だけ言い残して洗面所から出ていく彼の姿を見て精一杯体に力を込めて浴室に入った。


適温に設定されたシャワーを浴びながらさっきの余韻の残った下半身に手を伸ばすとそこはヌルっとしたまま。


洗い流してバスタブに浸かりここに戻ってきたことを嬉しく思っていた。


翼さんは今の仕事を辞め藤堂グループが新しく設立する不動産会社の代表取締役になる。

退職するにあたって引き継ぎはかなり大変だと思う。
役職のある部長が退職するのだから…



新しい会社に移った後私もその会社でまた翼さんと仕事をすることになるなんて幸せだな。


お母さんも落ち着いて元気そうだし結婚することを反対されなかった。


「それにしても素敵な指輪…」


自分の左手の薬指にはめられている婚約指輪をみて改めて思った。


高そうな指輪だし無くさないようにお家で保管しておこう。




逆上せる前に出ようと立ち上がろうとしたときに浴室のドアが開いて翼さんが入ってきた。


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