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好きになってくれてありがとう
第14章 帰ってきた二人
「な、何で入って来たの?!」
さっさとお風呂をあがってしまえばよかったと後悔した。
でももうそれは遅いことに気付かされる。
平然と入ってきてシャワーを頭から浴びた翼さんはガシガシと頭を洗いシャンプーを済ませるとボディタオルに石鹸を泡立たせものすごいスピードで体を洗った。
その間に後ろを通過して出てしまおうか考えてる間に泡を流した翼さんが浴槽に入ってきてしまった。
「理恵?どうした?」
「どうもこうも…」
出るタイミングを失った私は翼さんと浴槽に浸かっている。
逆上せてしまうかもと思っていたけど湯船のお湯の温度が適温で逆上せるのはありえなさそうだった。
「あのさ、一応予定では半年後に会社スタートする予定。それまでに今の引き継ぎやら終わらせないといけないしバタバタするとおもうけど理恵はのんびりしてていいから。」
部長職である翼さんの退職はかなり時間を要しそうだ。
「無理しないでね。」
「うん。理恵がここにいて帰ってくるのを待ってくれるだけで頑張れそうな気がする。」
自分に癒やし効果などないと思っていたけどそう言ってもらえるならば少しだけで翼さんの役に立てているんだと思えるような気がした。