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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第5章 沖島の陰謀
「んん…」
艶かしい室内灯の中で卓也は目覚めた。
瞼を開いているものの、
彼の網膜はまだ焦点が定まっておらず、
自分の状況を把握できずにいた。
しばらくボーっとしていたが
足に冷たいものを感じて記憶が甦ってきた。
上体を起こすと足元にシーツの濡れた跡が…
「そうだ。昨夜JUNと…」
JUN!どこにいるんだ?
バスルームか?
ふらつく足でバスルームを覗いてみたが
そこにはいなかった。
トイレか?
ドアを開けると便器が寒々と鎮座しているだけだった。
ドアを開けたついでに小用を足し、
トイレからでてもう一度室内を眺めた。
JUNの姿はもちろん衣服も見当たらなかった。
『やれやれ…
不完全燃焼で怒って帰っちまったか…』
しかし、どうしていざというときに
眠っちまったんだ…
連夜の残業疲れが災いしたのかもしれない。
ノートPCの入ったバッグに目をやる。
企画書の提出は明日。
今にして思えば昨夜の空白の時間が
もったいなかったなと思わずにいられなかった。
しかし、いい女だった。
次回はちゃんと逝かせてもらわなきゃな。