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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第6章 監禁された美智子

「今すぐ私を解放しなさい!
あなたを訴えたりしないわ。沖島を訴える!」

やれやれ、仕方ないなあ…
そう言って暴れる美智子を押さえ込み
口に猿轡をかました。

「うぐぐぐ!!ううううん!!むむうん!!!」

もう手こずらせないでよね。
これから1週間
仲良く暮らさなきゃいけないんだしさ。

美智子の抵抗に思いがけず手をやき、
純子は、ぜえぜえと荒い呼吸をしながら
床にへたりこんだ。

「あのさあ、あなたたちほんとに結婚するつもりだったの?」

純子の問いかけに、
美智子の脳裏に卓也との甘い日々が想い返された。

仕事と私とのデートに費やされた時間…
クリスマス、バースディ、バレンタイン。
いつも卓也と一緒だった。

卓也に他の女性の影など見当たらなかった。
体の相性だってバッチリだ。
今回のプロジェクトが終われば
両親に挨拶に行きたいと彼は言っていた。

どこをどう探しても
ゴールインは近い気がしていた。
ううん、それ以外に答えは見つからなかった。

純子の問いかけに美智子は大きく肯いた。

純子は昨夜の事を話すべきかどうか迷っていた。
沖島の計画では卓也と寝たことを
美智子に教えろという事だった。

信じる卓也の本当の姿を教えてやれ。
精神的に美智子をボロボロにせよと指示されている。
でも…この女性の澄んだ瞳を見つめていると…
とても出来ない!
これ以上この女性をいたぶって
どうしようというのだ。

美智子を拉致したときに
彼女は大きなトランクを転がしていた。
傷心旅行か、
もしくはこの街から消え去ろうとしていたのだろう。
純子は、これ以上、
美智子を追い詰めることは止めようと思い始めていた。

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