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第8章 『飼い主』

「ありがとう……奈緒をそこまで想ってくれて……」

なんと言っていいかわからず、智輝は素直に最初に頭に浮かんだ言葉を伝えた。

「探しに行きましょうっ!!」

弥生は突然立ち上がった。
その表情は柔和な顔を精一杯に張りつめさせた緊張感があった。

「どこへ……？」
「わからないけどっ……とにかく荒井さんを探しに行きましょうっ!!」

弥生は智輝の手を握り、無理矢理に立たせた。

「……そうだな。西野さんの言う通りだ。探そうっ!!」

弥生の熱い手のひらに触れ、智輝の心にも熱いものが蘇った。