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第8章 『飼い主』

「また明日も探しましょう……」

励ますように弥生は智輝の手を握った。

「いや……いいよ。ありがとう。さすがにそこまで付き合わせるわけにはいかないから……」

智輝の疲れた笑いに弥生はうつむいた。

もし奈緒が帰ってきたら連絡が欲しいと二人はアドレスと電話番号を交換してその日を別れた。

日曜日、やはり奈緒からの連絡もなく、弥生からの連絡はなかった。

うちひしがれた月曜日、唐突に奈緒からのメールが智輝に届いた。
慌てて確認した智輝は一行しかないメールの文面に言葉を失った。


『別れましょう。さようなら』