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第1章 カミングアウト

「その口調がまず駄目なの。普段は今まで通りの優しい智輝でいて欲しい。けど、ベッドでは命令口調で冷たく罵って欲しいの……」

奈緒の言葉はどれも智輝を驚愕させるものばかりだった。

「ごめん……引いたよね……嫌いになったら……そう言ってね……」
「き、嫌いになんてなるかよっ!!　俺は奈緒のことが好きだ。その、ド、ドMなとこも含めて全部っ!!」

勢いで言ってしまった智輝の見習いドS生活は、こうして幕を開けた。
それがどれほど過酷なものになるか、当然ながら智輝はまだ知らなかった。