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見習いドS彼氏
第7章 羞恥水族館
終業時間になると奈緒は素早く着替えて帰る支度を整えた。
今日は通っているスポーツクラブの楽しみなレッスンがある。
早く行って準備体操をしようと慌て気味だった。

「荒井さん」

更衣室を出て出口へ向かっていると不意に呼び止められた。

「はい?」
「これから同期のみんなでのみに行くんだけど、荒井さんもどう?」

声をかけてきたのは同期の中でも優秀でルックスも整っていると女子社員の中で人気の高い影山だった。

「あ、ごめん。今日は用事があるんで」
「えーまた? 荒井さんっていっつも飲み会来ないでしょ?」

影山は馴れ馴れしく奈緒の肩に触れた。
奈緒はさりげなくその手を払って微笑んだ。

「ごめんなさい。また今度、ね?」
「出た。荒井さんの口癖。また今度」

影山は自分が女性から人気があることを知っており、自分が敬遠されるなどということは有り得ないと考えていた。
それが馴れ馴れしい態度に繋がる。
正直そういったところが奈緒は大嫌いだった。

「じゃあ週末は? 映画でも観に行かない?」

そうとは知らぬ影山はめげもせず言い寄る。

「ごめんね。週末は彼氏とデートだから」

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