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人生最後のセックス
第1章 人生最後の
 頭と背中を撫でながら、彼は私を受け止める。
「菜乃葉、寂しい思いさせてごめんね。でも、今だけはそばにいるから」
 たくさん泣いて少し落ち着くと、彼がそういってまた強く抱きしめてくれる。
「はるちゃん、ずっとそばにいて」
 そういうと腕の力が弱まり、見上げると彼が首を横にゆっくり振って真剣に見つめてくる。
「そう長くはいられないんだ。菜乃葉、ある言葉をいったり、いわれたりすると、すぐに戻らないといけなくなるんだ。だから、あんまりしゃべらないって約束してくれる?」
 大きく頷いた。
 彼と一緒にいられるのなら、溢れる思いを伝えることも全て我慢しようと誓った。
「じゃあ、そろそろソファーにでも座ろうか」
 私たちはソファーに向かう短い距離も手を繋いで歩いた。
 彼曰く、抽選に当たったようなものらしい。期限は夜が明けるまで。または、禁止されている言葉をいうか、いわれた時。
 日常会話をするには多分問題ないと思うんだけど。そういう彼だったが、彼が消えたらと思うとしゃべるのが怖くてほとんど口を開けなかった。
 何をしゃべるのも怖くて、身振り手振りで必死にいいたいことを伝えた。
 晩御飯は? とか、お風呂は? とか、何がしたいとか。彼がしゃべった言葉は大丈夫と、聞くことにもものすごく神経を使った。
 晩御飯に食べれそうなものは母が持って来てくれたおかずやインスタントのものくらいしかなかった。
 彼が亡くなってからきちんと料理をする気が起きず、冷蔵庫はいつもほとんど空っぽだ。母が作り過ぎたと持って来てくれるおかずと、うどんやチャーハンで今私はできている。
 最後くらい彼の好物が作りたかったが、二人とも買い物に行く時間を惜しみ、家にあるものと卵が残っていたのでせめてと卵焼きを作った。
 その後一緒にお風呂に入った。互いの体を洗い合って、のんびりと湯に浸かった。
 お風呂から出ると彼は自分の部屋に行き、これは処分これはこの人に送ってと色々と指示を出すので、メモをとったり覚えるので大変だった。
 ひとしきり分別が終わると寝室に向かった。
 二人で並んでベッドに腰かける。
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