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私は管理人
第4章 カメラマンの吉岡

大野さんの空き室はすぐに埋まりました。

「今度、このマンションに入居させていただく吉岡と言います」

若いのに律儀に挨拶に来られました。

彼は見習いのカメラマンでした。
いつかはアイドルの写真集を手掛けたいと、
熱く語っている青年にわたしは好感を持ちました。

ある日、男の独り暮らしだとコンビニ弁当ばかりだろうと、
お節介だとは思いましたが手作りのお弁当を
差し入れてあげようと彼の部屋を訪ねました。

「えっ?管理人さんの手作りですか?」

彼は凄く感激してくれて、
わたしの目の前で
美味しそうにお弁当を食べてくれました。

「料理の上手な女性っていいなあ、
俺、管理人さんに惚れてしまいそうです」

社交辞令とわかっていても
心がキュンとなってしまいました。

「そうだ、
お礼にポートレートを撮ってあげますよ」

彼の申し出に
普段着のままだったので遠慮すると

「ではヌードはどうですか?」

と、まったくいやらしくなく
さりげにそう言いました。

ヌードだなんて・・・

とまっどている私を尻目に
「ね、そうしましょう」と
彼はバッグからカメラを取り出しました。

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