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私は管理人
第5章 救世主
「もう、その辺にしておくんだな!」
別室のドアを開けて
一人の男が飛び出してきました。
なんとそれは大野さんだったのです。
な、なんだ、てめえは!
見知らぬ男の登場に慌てて、
威勢のいい台詞を吐きながらも、
腰が退けている男の姿は滑稽でした。
「俺か?うーん、そうだなあ、
正義のヒーローってとこかな」
そう言いながら照れ臭そうに
大野さんは頬をポリポリと掻きました。
「まず、その手を離しなさい!」
一喝された男は素直にわたしを自由にしました。
わたしが大野さんの背に隠れたのを確認すると、
大野さんは男に素早く近寄り
腹にボディーアッパーを決めました。
やめてくれ!お願いだ、殴らないでくれ!
わたしには乱暴だった男も、
大野さんの前では赤子のように泣きじゃくりました。
「SDカードを出してもらおうか」
大野さんが催促すると、
男は素直に差し出したのでした。
「こんなカード1枚で
彼女をオモチャにしようと考えるなんて
小せえ野郎だな」
罵倒された男は腹に一撃されたことを根にもって「傷害罪で訴えてやる」とほざきました。