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私は管理人
第6章 久孝さんと玲子さん

わたしは、すぐさま脇坂さんのお宅へ相談に行きました。
わたしに任せてくださいなと言うにも関わらず
一言いってやるんだと桜本くんもわたしの後に着いてきました。
「すいません…管理人の真野です。真野紗耶香です」
インターホンを押してそのように告げると
来訪を待ち望んでいたかのように直ぐにドアが開いて素敵な笑顔でわたしを出迎えてくれました。
「まあ!管理人さん!
また遊びに来てくれたの?」
破顔で出迎えてくれましたが、
すぐさまわたしの後ろに立っている桜本くんに気づいて怪訝そうな表情に変わりました。
「あの…どちら様?」
脇坂さんの問いかけに
わたしが彼を紹介しようとするよりも早く
桜本くんはぐいっとわたしを押し退けて
「お宅のちょうど真上に住んでいる桜本と言います」と自己紹介を始めました。
続けざまに苦情を申し立てる素振りの桜本くんと
わたしに向かって
「まあまあ!こんなおばさんのお部屋を訪問してくれるなんて嬉しいわ…
立ち話もなんだし、どうぞお上がりくださいな」と
玄関の上がり口に二人のスリッパを並べ始めました。
ここでギャアギャアと苦情を申し立てるのも気が引けたのか、お邪魔しましょうと桜本くんはわたしを促してサッサッと上がり込んでしまいました。

