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私は管理人
第7章 シングルマザーの杉本さん
「散らかっているけど
適当にその辺に座って頂戴」
古い友人と久々に会ったように
杉本さんは気安くわたしに話しかけてきます。
その辺と言われても
子供の洗濯物とかおもちゃとか散乱しているので
わたしは仕方なくベッドに腰かけました。
「あら?おはぎ、まだ食べていなかったの?
あっ!もしかして脇坂さんと食べようと思って持っていったの?
あんなシーンを見せられて散々だったわね」
じゃあ、おはぎを私達で頂いちゃいましょうよと
茶話会を始めるかのように
杉本さんはお茶の用意をし始めました。
「あの…どうしてわたしにキスを?」
わたしは意を決して真相を問いただしました。
「あ~!ごめんね
でもさ、他人のセックスを見たらムラムラしてこない?
私はムラムラしちゃったわよ
ものすごくキスをしたくなっちゃって…
管理人さんは女同士のキスに免疫がないようね」
「当たり前です!
世間一般の女性は同性でキスなんかしませんよ!」
「じゃあ、今日、経験したから
次からは免疫が出来るわよ」
次から?
またキスを求めてくる気?
この人の感性にはついていけそうもないので
「お邪魔しました」と早々に部屋から出ていこうとしました。
「お願い…まだ帰らないで…
私を一人にしないで…」
部屋を出ていこうとするわたしの背後から
慌てて抱きついてきました。
「一人にしないでって…
杉本さんにはお子さんがいるじゃないですか」
そう言って、わたしはガランとした部屋に気づきました。
あれ?お子さんは?
「あの子、今日は別れた主人の家にお泊まりなの
まあ、月に一度は子供に会わせるというのが
離婚の条件だったから仕方ないんだけど…」
だから寂しいのよ…
ね、お願い一緒にいて頂戴よ
そう言われて、わたしは帰るに帰れなくなりました。