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縛られたい
第12章 少しずつ、家族になる〜まりあ
夜は広々としたベッドで阿部さんと愛し合った。

声が出てしまうこともあまり気にせず、
たくさん甘えて、
たくさん愛して貰った。


キスをしてるだけでも気持ちが良くて、
身体中、舐めたりキスをして貰って、
私も阿部さんの身体中、愛しい気持ちで舐めていって、
熱くて硬い阿部さんのを挿れて貰って、
頭の中が真っ白になるほど突かれて、
奥深くに白い飛沫を掛けられる。


収縮して全て搾り取るように、
勝手にナカが戦慄いては、深い眠りにつく。


そして、生き返ったような気持ちでまた愛し合った。



朝食の後、祖父が私に、
「翠さんも、あの部屋でまりあを身籠ったんだよ?
まりあもきっと、授かるよ?」と優しく言って、頬にキスをしてくれた。


私は思わず、祖父に抱きついて泣いてしまった。


「女の子に生まれてしまって、
ごめんなさい。
いくらサッカー上手くても、
武術出来ても、
馬に乗れても、
女の子だから…」て言うと、
胸が苦しくなってしまう。

阿部さんが、
「どうしたの?」と言うと、

「良いんだよ。
まりあが産まれてくれて、
本当に良かった。
性別なんて、たいした問題じゃないよ?」と優しく祖父は私の髪を撫でてくれた。


「ほら。
マサトが驚いているよ?
お散歩してきたら?」と、
阿部さんに私を託すように、そっと渡してくれる。


阿部さんは祖父に会釈をして、
私と手を繋いで中庭へとのんびり歩いてくれた。



私は阿部さんに、
祖父のことを説明した。

爵位があって、広大な領地があること。
日本人の祖母も古い家の一人娘だったから、
父を日本で出産して渡辺姓も使っていたこと。
独りっ子で父が祖父の跡継ぎだったけど、
亡くなってしまったこと。

その子供は私だけで、女子だったから、
跡継ぎになれなかったこと。

「でも、そんなこと、一度も言われたことはなくて、
すごく可愛がって貰ったのよ?
祖父が亡くなったら、
この家は絶えてしまうんです。
でも、そんなことは気にしなくて良いって…」


「大変だな。
まりあさんも大変だったんだね?」

「だからお転婆だったの。
勉強もスポーツも男の子に負けないくらい頑張ったの。
でも、背も小さいままだったし、
男の子にはなれないんだもん。
役立たずだなって思ったこともあったのよ?」と言うと、
また涙が溢れてしまった。

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