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縛られたい
第13章 出逢いは波のように〜まりあ
「そうか。
本当におめでとう。
こっちに子種がないのに、
まりあちゃんのことを責めたりして、
本当に済まなかった。
調停離婚した後、
子供出来たって押し付けられるように再婚したけど、
僕の子供じゃなかったんだよ。
子供が幼稚園に入るからって、
きちんと血液型調べたら、
あり得ない血液型だった。
彼女に言ったら、
誰の子供か分からなかったし、
医者と結婚出来てちょうど良いからって、
僕に結婚を迫ったと言われたよ」と、
力なく笑う。
「それで、念の為、調べてみたらこの結果だよ」と、
持っていた封筒をヒラヒラさせる。
「子種、ないってさ。
それなのに、子供がちっとも出来ないのを、
まりあちゃんのせいだって詰って、
本当に酷いことをした。
自業自得だよ。
あ、もう、まりあちゃんには関係ないことだよね?
さっき、会った瞬間、
運命的な再会かと思ったけど、
そんな訳、ないよね。
どうか、お幸せに」と言って頭を下げて、
そのまま、スタスタと出口に行ってしまった。
閉じられたドアを暫くぼんやり見ていたら、
阿部さんがふんわりと抱き締めてくれる。
「運命の再会とか、
そんなのないから。
本当に自業自得だよ」と言って、
髪を撫でてくれる。
「まりあ…だって…」
「えっ?」
「さっき、呼び捨てにしてた」
「あ、ごめん」
「ううん。
なんか、キュンとしたの」
「えっ?」
「男らしくてカッコ良かったの。
なんかね、まさとさんのモノって感じがした」
「そうかな?
なんか、偉そうじゃない?」
「えっとね…」と言いながら、
耳元で、
「キュンとして、濡れちゃった」と言って、
耳朶にキスをすると、
阿部さんはたちまち、紅くなってしまった。
「よし。
とにかく家に帰ろう。
ちょっと安静にしないとね。
貧血とか、心配だし」と言って、
車椅子で駐車場に向かって車に乗ると、
「これ、返してくるけど、
鍵、閉めておいてね?」と言うので、
「やだ。
心配性ね?
お父さんみたいよ?」と笑うと、
「お父さんでもなんでも良いよ。
とにかく、さっきは心配で、
死にそうになったんだから」と言って、
大急ぎで車椅子を戻しに行った。
本当におめでとう。
こっちに子種がないのに、
まりあちゃんのことを責めたりして、
本当に済まなかった。
調停離婚した後、
子供出来たって押し付けられるように再婚したけど、
僕の子供じゃなかったんだよ。
子供が幼稚園に入るからって、
きちんと血液型調べたら、
あり得ない血液型だった。
彼女に言ったら、
誰の子供か分からなかったし、
医者と結婚出来てちょうど良いからって、
僕に結婚を迫ったと言われたよ」と、
力なく笑う。
「それで、念の為、調べてみたらこの結果だよ」と、
持っていた封筒をヒラヒラさせる。
「子種、ないってさ。
それなのに、子供がちっとも出来ないのを、
まりあちゃんのせいだって詰って、
本当に酷いことをした。
自業自得だよ。
あ、もう、まりあちゃんには関係ないことだよね?
さっき、会った瞬間、
運命的な再会かと思ったけど、
そんな訳、ないよね。
どうか、お幸せに」と言って頭を下げて、
そのまま、スタスタと出口に行ってしまった。
閉じられたドアを暫くぼんやり見ていたら、
阿部さんがふんわりと抱き締めてくれる。
「運命の再会とか、
そんなのないから。
本当に自業自得だよ」と言って、
髪を撫でてくれる。
「まりあ…だって…」
「えっ?」
「さっき、呼び捨てにしてた」
「あ、ごめん」
「ううん。
なんか、キュンとしたの」
「えっ?」
「男らしくてカッコ良かったの。
なんかね、まさとさんのモノって感じがした」
「そうかな?
なんか、偉そうじゃない?」
「えっとね…」と言いながら、
耳元で、
「キュンとして、濡れちゃった」と言って、
耳朶にキスをすると、
阿部さんはたちまち、紅くなってしまった。
「よし。
とにかく家に帰ろう。
ちょっと安静にしないとね。
貧血とか、心配だし」と言って、
車椅子で駐車場に向かって車に乗ると、
「これ、返してくるけど、
鍵、閉めておいてね?」と言うので、
「やだ。
心配性ね?
お父さんみたいよ?」と笑うと、
「お父さんでもなんでも良いよ。
とにかく、さっきは心配で、
死にそうになったんだから」と言って、
大急ぎで車椅子を戻しに行った。