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縛られたい
第13章 出逢いは波のように〜まりあ
安定期までは話さないようにするつもりだったのに、
阿部さんがあまりにも私を気遣って甘やかすので、
ゆりあさんがすぐに気付いてしまって、
優斗くんも知るところとなって、
阿部さんのご両親にもその話が流れていった。
最初の孫の出産を見れなかったからと、
阿部さんのお母様がとても気遣ってくれて、
「翠さんの分も見てあげないと!」と、足繁く来てくださるようになった。
ある日のこと、
お母様が買い物したものを持って来てくださった時、
門扉の外に佇む男性が居て、
「あの…何か御用ですか?」と声を掛けると、
「いえ…何でもありません」と足早に去ってしまったそうだった。
その話を聞いて、
「それって…、
もしかしたら、元夫さんじゃないかな?」と、
阿部さんは眉を顰めて言った。
少し気掛かりではあったけど、
私が鉢合わせすることもなかった。
程なく、月曜日の朝になると、
お花屋さんが薔薇の花束を届けるようになった。
差出人はなく、お花屋さんもお代を頂いているだけなのでと言っていた。
別の日には、
優斗くんが同じ男性を目撃していて、
「出産日は?」って訊かれたけど、
答えなかったよと言っていた。
12月になった。
逆子が上手く戻らないままで、
母体と子供の安全を優先して、
帝王切開になることが決まった。
そして、無事に男の子を出産した。
お腹を切るのは、
やっぱり壮絶に痛かったけど、
私以上に辛そうな顔で阿部さんが覗き込むので、
無理して笑うようにしては、痛くて泣いていた。
後産っていうのも、
いつもの生理痛以上に痛くて、
うめきながら丸まっていると、
阿部さんは背中をさすってくれたりした。
退院後は、
暫く阿部さんのお母様が泊まりに来てくださることになっていたけど、
「私、独りは無理だよ?」と言って、
お父様も来てくださることになった。
とても賑やかなクリスマスとお正月を過ごすことが出来た。
月曜日ではなかったけど、
クリスマスには、
真っ赤な薔薇の花束が届いた。
名前はなかったけど、
「ご出産おめでとうございます」というメッセージカードをみて、
多分、元夫からなのかなと思った。
どんな気持ちなのかは判らないけど、
お花は素直に喜んで、
リビングに飾らせて貰った。
阿部さんがあまりにも私を気遣って甘やかすので、
ゆりあさんがすぐに気付いてしまって、
優斗くんも知るところとなって、
阿部さんのご両親にもその話が流れていった。
最初の孫の出産を見れなかったからと、
阿部さんのお母様がとても気遣ってくれて、
「翠さんの分も見てあげないと!」と、足繁く来てくださるようになった。
ある日のこと、
お母様が買い物したものを持って来てくださった時、
門扉の外に佇む男性が居て、
「あの…何か御用ですか?」と声を掛けると、
「いえ…何でもありません」と足早に去ってしまったそうだった。
その話を聞いて、
「それって…、
もしかしたら、元夫さんじゃないかな?」と、
阿部さんは眉を顰めて言った。
少し気掛かりではあったけど、
私が鉢合わせすることもなかった。
程なく、月曜日の朝になると、
お花屋さんが薔薇の花束を届けるようになった。
差出人はなく、お花屋さんもお代を頂いているだけなのでと言っていた。
別の日には、
優斗くんが同じ男性を目撃していて、
「出産日は?」って訊かれたけど、
答えなかったよと言っていた。
12月になった。
逆子が上手く戻らないままで、
母体と子供の安全を優先して、
帝王切開になることが決まった。
そして、無事に男の子を出産した。
お腹を切るのは、
やっぱり壮絶に痛かったけど、
私以上に辛そうな顔で阿部さんが覗き込むので、
無理して笑うようにしては、痛くて泣いていた。
後産っていうのも、
いつもの生理痛以上に痛くて、
うめきながら丸まっていると、
阿部さんは背中をさすってくれたりした。
退院後は、
暫く阿部さんのお母様が泊まりに来てくださることになっていたけど、
「私、独りは無理だよ?」と言って、
お父様も来てくださることになった。
とても賑やかなクリスマスとお正月を過ごすことが出来た。
月曜日ではなかったけど、
クリスマスには、
真っ赤な薔薇の花束が届いた。
名前はなかったけど、
「ご出産おめでとうございます」というメッセージカードをみて、
多分、元夫からなのかなと思った。
どんな気持ちなのかは判らないけど、
お花は素直に喜んで、
リビングに飾らせて貰った。