この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
縛られたい
第15章 元夫さんの手紙〜阿部
その頃、元夫さんの生活に変化があったようで、
一緒に病院をやっていた父親が亡くなり、
母親からしきりにお見合いを勧められているようで、
それについての愚痴も書いてあった。
『見合い相手は面倒。
論文とかで忙しいのに、
自分のペースで会いたがる。
会うと買い物に付き合わされて、
挙句にはアレを買って、コレを買ってと強請られる。
すぐに手を繋ぎたがったり、
キスをしようとする。
ホテルに行こうと言う女も居る。
慎みというものが感じられない』
その後、お母様も亡くなり、
独りになったようだった。
まりあさんの小学校5年に上がる直前の頃のカルテには、
初潮を迎えたことまで書いてある。
結構、早いな。
「なんか、血が出てる」と言って、
1人で病院に来たらしい。
まりあさんのお母様は教員をしていて不在がち。
その頃はお父様も亡くなっていて、
通いのお手伝いさんは居たけど、
あの大きな家で独りで居る時に下着に血が付いているのを見て、
驚いて病院に来たという。
その時のことは、レポート用紙にメモしてあった。
『「学校で習わなかった?」と訊いてみたけど、
まだ、授業では習ってなかったらしかった。
一緒に車で近くのデパートに行って、
下着売り場で子供用のサイズの生理用パンツを2枚買って、
小さめのナプキンを買ってから病院に戻る。
母屋の浴室で、
スカートと下着だけ脱がせてから洗ってあげて、
新しい下着とナプキンを付けさせた。
その後、温かい紅茶に牛乳と砂糖を入れたやつを作って、
リビングのソファに座らせて、
それを飲ませてながら、
生理の説明を、医学書を見せながらしてあげた。
黙って説明を聞いた後、
まりあちゃんは涙ぐみながら、
「もう、私、
男の子にはなれないのね?
サッカー上手くても、
勉強出来ても、
ずっと女の子のままなのね?
背だって全然大きくならないの」
と言った。
「まりあちゃんは、最初から、
とても可愛い女の子だったでしょう?」と言ってみても、
首を振りながら、
「女の子になんて、なりたくなかった。
男の子になりたかったのに」と、
声を上げて泣く。
「男の子だと、
僕のお嫁さんになれないよ?」と言って、
そっと抱き締めると、
まりあちゃんは僕にしがみついて泣いていた。
ふんわりと清潔で甘い香りがした』
一緒に病院をやっていた父親が亡くなり、
母親からしきりにお見合いを勧められているようで、
それについての愚痴も書いてあった。
『見合い相手は面倒。
論文とかで忙しいのに、
自分のペースで会いたがる。
会うと買い物に付き合わされて、
挙句にはアレを買って、コレを買ってと強請られる。
すぐに手を繋ぎたがったり、
キスをしようとする。
ホテルに行こうと言う女も居る。
慎みというものが感じられない』
その後、お母様も亡くなり、
独りになったようだった。
まりあさんの小学校5年に上がる直前の頃のカルテには、
初潮を迎えたことまで書いてある。
結構、早いな。
「なんか、血が出てる」と言って、
1人で病院に来たらしい。
まりあさんのお母様は教員をしていて不在がち。
その頃はお父様も亡くなっていて、
通いのお手伝いさんは居たけど、
あの大きな家で独りで居る時に下着に血が付いているのを見て、
驚いて病院に来たという。
その時のことは、レポート用紙にメモしてあった。
『「学校で習わなかった?」と訊いてみたけど、
まだ、授業では習ってなかったらしかった。
一緒に車で近くのデパートに行って、
下着売り場で子供用のサイズの生理用パンツを2枚買って、
小さめのナプキンを買ってから病院に戻る。
母屋の浴室で、
スカートと下着だけ脱がせてから洗ってあげて、
新しい下着とナプキンを付けさせた。
その後、温かい紅茶に牛乳と砂糖を入れたやつを作って、
リビングのソファに座らせて、
それを飲ませてながら、
生理の説明を、医学書を見せながらしてあげた。
黙って説明を聞いた後、
まりあちゃんは涙ぐみながら、
「もう、私、
男の子にはなれないのね?
サッカー上手くても、
勉強出来ても、
ずっと女の子のままなのね?
背だって全然大きくならないの」
と言った。
「まりあちゃんは、最初から、
とても可愛い女の子だったでしょう?」と言ってみても、
首を振りながら、
「女の子になんて、なりたくなかった。
男の子になりたかったのに」と、
声を上げて泣く。
「男の子だと、
僕のお嫁さんになれないよ?」と言って、
そっと抱き締めると、
まりあちゃんは僕にしがみついて泣いていた。
ふんわりと清潔で甘い香りがした』