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縛られたい
第15章 元夫さんの手紙〜阿部
「この前の話、
覚えてる?」
「えっ?」
「付き合っている人、居るのかな?」
「居ません。
東大女子なんて、
煙たがられるだけだもん」と笑う。
「就活はしてるの?」
「いいえ。
大学院に行こうと思ってるから、
してません」
「大学院、どうしても行きたいの?」
「えっ?」
「真面目に考えて欲しい。
結婚を前提に付き合って欲しい。
それで、卒業して、
その時、まりあちゃんが良いって思えたら、
僕と結婚して欲しい」
「えっ?
あの…」
「考えられない…かな?」
「この前もその話、
先生、してたけど、
熱のせいで、夢か勘違いだと思ってて…」
「本気だよ」
「私、まだ学生で…」
「知ってる」
「母が仕事をしてるから、お料理とかは出来るけど…」
「それも、知ってるよ。
お母様から聴いてるから。
お料理も他の家事も、
庭の手入れも、
全部、まりあちゃんがやってくれてるって」
「でも、それくらいしか、
出来ることないですよ?
あ、医療事務とか、勉強しましょうか?」
「そんなこと、しなくて良いよ。
居てくれるだけで良いから」
「でも、私…
先生のこと、良く知りません。
先生だって、私のこと…」
「知ってるよ?
ずっと観てきたから。
まりあちゃんが不安なら、
1年掛けて、僕のことを知ってくれれば良いよ。
まあ、つまらないオトコだけどね。
開業医やりながら、
論文書いたり学会出たりしてたら、
こんなに歳を取ってしまって。
気の利いたことも言えないし、
趣味もないしね?
でも、嫌な思いはさせないつもりだし、
まりあちゃんとお母様を大切にしたいと思ってるし、
金銭的にも心配掛けることはないよ。
僕が先に死んでも、
充分生活出来るくらいの蓄えもあるから…」
「先に死んでもって…」と言いながら、
まりあちゃんは涙ぐんでいる。
「あ、ごめん。
でも、年齢差があるってことは、
そう言うことだから。
でも、介護させたりとか、大変なことは、
プロに任せれば良いから、
そういう心配も苦労もさせないから」
まりあちゃんは、涙を拭くと、
「先生、知ってる?
先生は私の初恋の人なんですよ?
幼稚園の時、先生のほっぺにキスしたもん」と恥ずかしそうに笑った。
「ありがとう」となんとか言って、
僕はまりあちゃんの頬にそっとキスをした。
覚えてる?」
「えっ?」
「付き合っている人、居るのかな?」
「居ません。
東大女子なんて、
煙たがられるだけだもん」と笑う。
「就活はしてるの?」
「いいえ。
大学院に行こうと思ってるから、
してません」
「大学院、どうしても行きたいの?」
「えっ?」
「真面目に考えて欲しい。
結婚を前提に付き合って欲しい。
それで、卒業して、
その時、まりあちゃんが良いって思えたら、
僕と結婚して欲しい」
「えっ?
あの…」
「考えられない…かな?」
「この前もその話、
先生、してたけど、
熱のせいで、夢か勘違いだと思ってて…」
「本気だよ」
「私、まだ学生で…」
「知ってる」
「母が仕事をしてるから、お料理とかは出来るけど…」
「それも、知ってるよ。
お母様から聴いてるから。
お料理も他の家事も、
庭の手入れも、
全部、まりあちゃんがやってくれてるって」
「でも、それくらいしか、
出来ることないですよ?
あ、医療事務とか、勉強しましょうか?」
「そんなこと、しなくて良いよ。
居てくれるだけで良いから」
「でも、私…
先生のこと、良く知りません。
先生だって、私のこと…」
「知ってるよ?
ずっと観てきたから。
まりあちゃんが不安なら、
1年掛けて、僕のことを知ってくれれば良いよ。
まあ、つまらないオトコだけどね。
開業医やりながら、
論文書いたり学会出たりしてたら、
こんなに歳を取ってしまって。
気の利いたことも言えないし、
趣味もないしね?
でも、嫌な思いはさせないつもりだし、
まりあちゃんとお母様を大切にしたいと思ってるし、
金銭的にも心配掛けることはないよ。
僕が先に死んでも、
充分生活出来るくらいの蓄えもあるから…」
「先に死んでもって…」と言いながら、
まりあちゃんは涙ぐんでいる。
「あ、ごめん。
でも、年齢差があるってことは、
そう言うことだから。
でも、介護させたりとか、大変なことは、
プロに任せれば良いから、
そういう心配も苦労もさせないから」
まりあちゃんは、涙を拭くと、
「先生、知ってる?
先生は私の初恋の人なんですよ?
幼稚園の時、先生のほっぺにキスしたもん」と恥ずかしそうに笑った。
「ありがとう」となんとか言って、
僕はまりあちゃんの頬にそっとキスをした。