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縛られたい
第15章 元夫さんの手紙〜阿部
まりあちゃんが卒業した。

「先生が私を大切にしてくださって、
勉強にも集中出来たから、
首席だったんです」と言って、
袴姿の写真を持ってきて見せてくれた。

本当に可愛くて優秀だな。
これで子供が出来たら、
可愛くて頭が良い子が産まれるだろうなと思ってた。

何より、まりあちゃんを完全に自分のものにする為にも、
早く子供は欲しいと思っていた。


「プロポーズから1年経ったけど、
僕の気持ちは変わらないよ?
まりあちゃんはどうかな?」

「私も…」と言って、
恥ずかしそうに俯く。
耳まで紅くなっている。


「じゃあ、結婚しようね。
でも、頼みがあるんだ」

「なんですか?」

「絶対に反対されないように、
既成事実を作りたい」

「既成事実?」

「そう。
既成事実。
今、結婚するって言っても、
歳の差を理由に反対されかねないでしょう?
だから、先に既成事実を作る」

「既成事実って?」

「子供、作ろう。
そしたら、もう反対されないよ?
さすがに、堕胎しろだなんて、言われないでしょ?」

「堕胎だなんて…」と言いながら、
優しいまりあちゃんは、震えながら涙ぐんでしまう。


僕は優しくまりあちゃんを抱き締めて、
「ちゃんと基礎体温を毎朝測って、
排卵日にここに来て、セックスしようね?
そしたら、すぐに授かるだろう。
その後、お母様に言って、
お許しを貰おうね」と笑った。


耳を紅くして俯いてしまったまりあちゃんの顎を上に向けて、
唇を貪るような大人のキスをした。


まりあちゃんは、初めてなのか、
途中で息が出来なくなって、
酸欠で意識が遠くなってしまい、
力が抜けてしまった。


可愛過ぎる。


僕は軽く頬を叩いてあげてから、目を覚ますのを待って、
「ひとまず、婚姻届、
2人で書いておこうか?
生半可な気持ちじゃないし、
きちんと結婚したいから、
それを形にして残しておこうよ」と言うと、
少し朦朧としながら、
まりあちゃんは婚姻届を書いてくれた。


その日は、大人のキスをたくさんして、
「唇、変じゃないですか?
腫れてるみたい」と言うまりあちゃんを、
運転手に家まで送らせた。


そして、その日から毎朝、
基礎体温を僕に報告するのが、
まりあちゃんの日課になった。
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