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縛られたい
第15章 元夫さんの手紙〜阿部
そしたら、あのクラブのオンナが、
「妊娠した」と連絡をしてきた。

ある種、救われた。

そう思った。


これで、大好きなまりあちゃんに酷いことをしなくて済む。


ちょうど、まりあちゃんのお母様にステージ4の癌が見つかったから、
「ご実家に帰っても良いよ。
お母様、見てあげなさい」と言うと、
「ありがとうございます」と頭を下げて実家に帰った。



入れ替わりに家に入ったオンナは、
家事もしないし、
家政婦や運転手にも横柄な態度を取るし、
勝手に僕のカードでネットショッピングをしたり、
やりたい放題だった。

でも、まりあちゃんと違って、
勝手に僕を貪るようにセックスをする。

「子供の為に離婚して、再婚してよ」

そう言われたけど、
お母様のことを必死に看ているまりあちゃんに、
そんなことは言えないと思って、
のらりくらりとしていた。

オンナの腹は益々大きくなる。


お母様の訃報を、
新聞で見てから、
家裁に調停離婚を申し立てした。


酷い内容の調停だった。
オンナの差し金で、
まりあちゃんをすっかり悪者にして離婚する内容だった。


まりあちゃんもお母様のことで気落ちしていて、
更に調停の中で、
夫婦生活の彼女にとっては恥ずかしいことを言われて、
他にもあることないことを言われて、
意気消沈していた。
反論もせず、そのまま消え入るように離婚が確定しそうになっていた。

でも、クビにした運転手と家政婦が証言したり、
家に転がり込んだオンナの妊娠の話が出て、
すっかり形勢逆転になった。


こちらの不貞とまりあちゃんへの虐待。
財産分与や慰謝料を払っての離婚になった。




その後は、我ながら滑稽な話だった。

産まれた子供は、自分の子供ではなかった。
何しろ、僕は種無しだったから。
おまけに、末期癌だった。
僕には何も残らなかった。
でも、自業自得だ。

だから、せめて最後は、
自分が一番大切で大好きだったまりあちゃんに、
何かをしたいと思った。


庭で薔薇を育てるのが好きだったまりあちゃんに、
薔薇を贈る。

自分が死んだ後の財産をまりあちゃんに遺す。


それくらいしか出来ないし、
なんなら、匿名でそれをしたいくらいだった。

だって、そんなのすら、
気持ち悪いかもしれない。
思い出したくもないだろうし。


だから、弁護士に頼むことにした。
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