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縛られたい
第16章 縛られたい〜まりあ
お部屋に戻ると食器などはすっかり片付いていて、
多分空気の入れ替えもしてくださっていて、
床の間には香炉が置かれていた。

白檀の香りは、少し古めかしい感じがしたけれど、
そのお部屋には良く似合っていると思った。

ふと見ると、
床の間の手前にに小さなお盆があって、
上に掛けられた帛紗をめくると、
小さなマッサージ器が置かれていた。


「これは…コンセントに挿して、
肩とか背中をマッサージするやつね?」と阿部さんに見せると、
「まあ、違う使い方も出来るけどね?」と笑った。

「えっ?」

「後で使おうね?」と言って、
私の手を取って寝室に連れて行ってくれる。


「あっ、そうだ」と言って、
衣桁に掛けてあった腰紐や伊達締めを持ってくるので、
私は顔を紅くしてしまった。






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