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縛られたい
第3章 ラブホでの出来事、そして〜阿部
「判りやすいわね?
もう、出会ってるの?」

「いや。
仕事、手伝いに来てくれるコは出来たけど、
すごく若いし、
俺のこと、『オジサン』って思ってるよ」

「そうなの?」

「でもね。
今日、ここに来たのは、
そのコから、
ちゃんと奥さんとお話しするようにって言われたからなんだよ。
ゆりあとも、きちんと話をしなさいだって。
ちゃんと言葉にしないと、
誤解してたり、思い込んだりしてるかもしれないからって。
そのコのお母さんも、
癌で亡くなったんだって。
だから、生きてるうちにもっと一緒にって…」と言いながら、
俺は鼻水まで流しながら泣いていた。


ポケットからクシャクシャのハンカチを出して鼻を噛むと、
「仕事より、家事を手伝って貰ったら?
貴方、シャツもハンカチも、
アイロン掛かってなくて、クシャクシャよ?」と小さい声で妻は笑った。



「なんていうお嬢さんなの?」

「えっとね、渡辺さん。
渡辺まりあさんだって」

「まあ…!
そうなの…」と優子は言って目を閉じた。


「ちょっと痛くて苦しいの…。
看護婦さん、呼んでくれる?」と言うので、
ナースコールを押した。


点滴に薬液を入れられて、
そのまま優子は眠ってしまった。


俺は看護師さんに「宜しくお願いします」と言って、
ナースステーションに菓子折りを置いてから優斗の練習してるグラウンドに向かった。


泥だらけの練習着の上からジャージを着て、
大きい声でみんなに挨拶をして車に乗り込んだ。


「『コンビニのお握りじゃ、お腹空くでしょ?』って、翔くんのお母さんが唐揚げとか卵焼き、くれたよ?
今度お礼言ってね?」

「えっ?
どんな人だっけ?」

「えとね、お父さんが『カネゴン』みたいって言ってたオバサン」

「ああ、あの人か…。
って、まさか、『カネゴン』とか、言ってないよな?」

「言わないよ。
でも、検索して、笑った」と楽しそうに言う。

「夜ご飯、ケンタッキーが良いなぁ」

「そんなので良いのか?」

「冷食より
美味いじゃん」

「ごめんな。
お父さん、料理出来なくてさ」

「お姉ちゃんが作れば良いのに。
女のくせにさ」

「いやいや、女だから家事とか、
それって昔の話だよ。
出来る方がやれば良いんだよ」と言いながら、
ケンタッキーのドライブスルーのレーンに並んだ。
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