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縛られたい
第5章 居候、そして優子さんとのお別れ〜まりあ
翌週の水曜日に、銀行に行って、
マンションの契約をすることになっていた。
当然、全てスムーズに終わると思っていたら、
大どんでん返しが待っていた。
…ローンの審査が通らないと言われた。
「えっ?
この預金額があっても?」
担当の比較的若い行員とその上司は、
申し訳無さそうに言う。
「規定がありまして…。
預金額は充分なんですが、
職歴がないことと、独身で、女性で…、
あの、それにお身内もいらっしゃらないということで、
保証人様が立てられないと…」
「身内…イギリスに父方の祖父母はおりますけど?」
「おいくつですか?
保証人になれますかね?」
「年齢は…かなり高齢で…。
保証人は、確認してみないと…」
「ご高齢だと、保証人は難しいですし、
日本在住で、国籍が日本人の方が好ましくて…」
「じゃあ、預金使って現金で一括購入します。
税金の関係で、それ、したくなかったけど…」
と言うと、今度は不動産屋さんが口を開く。
「あの…申し訳ございません。
ローンの審査が通らないという話を先に伺いまして、
たまたま社宅として使いたいという会社様からの引き合いもございましたので、
昨日、ご契約をさせていただきましたので?」
「えっ?
酷い!!」
「内金もまだの、口約束でしたので、
法律上は問題ないかと…」
「では、自宅の賃貸、辞めます」
「いや、そちらは既に契約済みなので…」
「じゃあ、私、何処に住めば良いんですか?」
「申し訳ありませんが…」
と、頭を下げているが、
全然申し訳なさそうではなかった。
私は無性に腹が立ってきてしまった。
マンションの契約をすることになっていた。
当然、全てスムーズに終わると思っていたら、
大どんでん返しが待っていた。
…ローンの審査が通らないと言われた。
「えっ?
この預金額があっても?」
担当の比較的若い行員とその上司は、
申し訳無さそうに言う。
「規定がありまして…。
預金額は充分なんですが、
職歴がないことと、独身で、女性で…、
あの、それにお身内もいらっしゃらないということで、
保証人様が立てられないと…」
「身内…イギリスに父方の祖父母はおりますけど?」
「おいくつですか?
保証人になれますかね?」
「年齢は…かなり高齢で…。
保証人は、確認してみないと…」
「ご高齢だと、保証人は難しいですし、
日本在住で、国籍が日本人の方が好ましくて…」
「じゃあ、預金使って現金で一括購入します。
税金の関係で、それ、したくなかったけど…」
と言うと、今度は不動産屋さんが口を開く。
「あの…申し訳ございません。
ローンの審査が通らないという話を先に伺いまして、
たまたま社宅として使いたいという会社様からの引き合いもございましたので、
昨日、ご契約をさせていただきましたので?」
「えっ?
酷い!!」
「内金もまだの、口約束でしたので、
法律上は問題ないかと…」
「では、自宅の賃貸、辞めます」
「いや、そちらは既に契約済みなので…」
「じゃあ、私、何処に住めば良いんですか?」
「申し訳ありませんが…」
と、頭を下げているが、
全然申し訳なさそうではなかった。
私は無性に腹が立ってきてしまった。