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縛られたい
第5章 居候、そして優子さんとのお別れ〜まりあ
面倒なので、状況をザックリ説明した。
自宅をリフォームして賃貸に出して、
代わりに新築マンションにローンを組んで引っ越す予定だった。
当初、大丈夫と言っていたのに、
今日になって、ローンについては規定の問題で通らないと断られた。
おまけに決めていた部屋を不動産屋さんが、勝手に他の会社さんに売ってしまったことで、
住む家もなくなって憤慨していることも。
静かに話を訊いてくれて、
「それで、住む処は大丈夫なんですか?」と、
お父さんみたいな顔で訊いてくれるので、
「そんなのはお金があれば何とか出来ますし…」と答えて、
「あの…それでなんですけど、
私、怒り心頭になってしまって、
そこの銀行口座、解約するって、啖呵切ってしまったんです。
それで、一番近いからこちらの口座、先程開設したんですよね」
「ありがとうございます。それで…?
ローンのご相談ですか?」
「いえいえ、もう、買いたいと思ったマンションは、
別の方で決まっちゃったから、
取り敢えずローンは良いんですけど、
あっちの銀行で解約したお金、
こっちに預けるのに、お金運ぶの、
手伝っていただきたくて」
「えっ?」
「銀行間で電信で移すと、手数料掛かるでしょう?
それより何より、
あっちの担当の方に、目で見て欲しいの。
解約するってことの意味を。
だから13時までに用意しておいてくださいって言って、
その足でここに来ました。
徒歩で大丈夫だと思うけど、
お願い出来ますか?」
「判りました。
私がご一緒しましょう」
「えっ?
副支店長さんって書いてありますよ?
そんな偉い方に…?」
「役職あるから、暇人なんですよ?
何キロ分かな?
私で持てる重さかな?」と笑ってくれるので、
ホッとしてしまう。
「コドモっぽく、怒ったりした私にお付き合い頂くようなことをお願いしてしまって、
申し訳ありません」と頭を下げると、
「とんでもない。
信頼を失うのが、
銀行にとって一番危険なことですからね?」と笑った。
ぐぅぅ…と、私のお腹が鳴ってしまった。
「あ…。
安心したらお腹空いちゃいました」
「もうすぐ、昼ですね?
ご一緒しますか?」
「えっ?
お時間大丈夫なんですか?」と言うと、
内線電話をして、
「では、行きましょうか?」と立ち上がると、
結構背が高くて見上げてしまった。
自宅をリフォームして賃貸に出して、
代わりに新築マンションにローンを組んで引っ越す予定だった。
当初、大丈夫と言っていたのに、
今日になって、ローンについては規定の問題で通らないと断られた。
おまけに決めていた部屋を不動産屋さんが、勝手に他の会社さんに売ってしまったことで、
住む家もなくなって憤慨していることも。
静かに話を訊いてくれて、
「それで、住む処は大丈夫なんですか?」と、
お父さんみたいな顔で訊いてくれるので、
「そんなのはお金があれば何とか出来ますし…」と答えて、
「あの…それでなんですけど、
私、怒り心頭になってしまって、
そこの銀行口座、解約するって、啖呵切ってしまったんです。
それで、一番近いからこちらの口座、先程開設したんですよね」
「ありがとうございます。それで…?
ローンのご相談ですか?」
「いえいえ、もう、買いたいと思ったマンションは、
別の方で決まっちゃったから、
取り敢えずローンは良いんですけど、
あっちの銀行で解約したお金、
こっちに預けるのに、お金運ぶの、
手伝っていただきたくて」
「えっ?」
「銀行間で電信で移すと、手数料掛かるでしょう?
それより何より、
あっちの担当の方に、目で見て欲しいの。
解約するってことの意味を。
だから13時までに用意しておいてくださいって言って、
その足でここに来ました。
徒歩で大丈夫だと思うけど、
お願い出来ますか?」
「判りました。
私がご一緒しましょう」
「えっ?
副支店長さんって書いてありますよ?
そんな偉い方に…?」
「役職あるから、暇人なんですよ?
何キロ分かな?
私で持てる重さかな?」と笑ってくれるので、
ホッとしてしまう。
「コドモっぽく、怒ったりした私にお付き合い頂くようなことをお願いしてしまって、
申し訳ありません」と頭を下げると、
「とんでもない。
信頼を失うのが、
銀行にとって一番危険なことですからね?」と笑った。
ぐぅぅ…と、私のお腹が鳴ってしまった。
「あ…。
安心したらお腹空いちゃいました」
「もうすぐ、昼ですね?
ご一緒しますか?」
「えっ?
お時間大丈夫なんですか?」と言うと、
内線電話をして、
「では、行きましょうか?」と立ち上がると、
結構背が高くて見上げてしまった。