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縛られたい
第5章 居候、そして優子さんとのお別れ〜まりあ
とぼとぼと事務所に戻ると、
阿部さんは奥のパソコンで図面を引いていて、
優斗くんは私の隣の机で勉強をしていた。
「おかえり!
あれ?
まりあさん、どうしたの?」と優斗くんが言った。
「えっ?
あ…うん」
「お父さ〜ん!
ちょっと来て?
まりあさん、顔色悪いし元気ないよ!」
「えっ?」と慌てて阿部さんも来る。
「えっと…。
ローンの審査、通らなかったの。
独身女で定職もないし、
保証人出来る身内も居ないないから、
ダメなんですって。
まあ、仕方ないけど現実的に考えるとそうだなって」
「俺、保証人やろうか?
ここの仕事は、定職にならないのかな?」
「阿部さん、絶対にダメですよ?
簡単に保証人とかになってハンコ押したら!
ここの仕事は始めたばかりで、
まだお給料日の前だし、
実績にカウントされないみたいでした」
「そうか…」
「もっと酷いのは、
ローン通らないこと、
先に不動産屋さんが聞いて、
勝手に他のヒトにあの部屋、
売ってしまったの。
だから、あのお部屋は、
どんなことをしてももう、
手に入らないです。
ガッカリしちゃいました」
「それは酷い」
「実家は賃貸契約しちゃったから、もう住めないし、
引っ越す予定だったお部屋も、
他の人が買ってしまったから、
私、住む処が無くなりました」
「やった!
じゃあ、ずっとここに居てくれるの?」
と優斗くんが言った。
「えっ?」
「お母さんも、まりあさんにここに居て欲しいって言ってたよ?」
「でも…」
「お父さんも良いでしょ?」
「あ…うん」
「あとは、お姉ちゃんか。
今日、帰ってきたらその話、したら?」
優斗くんは嬉しそうに話し続ける。
…でも、なんか、それで良いのかな?
また、望まれてもないのに、
流されてないかな?
阿部さん、私のこと、
どう思ってるのかな?
住む処もなくて、
仕方ないなって思ってるんだろうな。
私はどうなの?
優子さんはああ言ってたけど、
阿部さんとの将来って考えられる?
阿部さんは奥のパソコンで図面を引いていて、
優斗くんは私の隣の机で勉強をしていた。
「おかえり!
あれ?
まりあさん、どうしたの?」と優斗くんが言った。
「えっ?
あ…うん」
「お父さ〜ん!
ちょっと来て?
まりあさん、顔色悪いし元気ないよ!」
「えっ?」と慌てて阿部さんも来る。
「えっと…。
ローンの審査、通らなかったの。
独身女で定職もないし、
保証人出来る身内も居ないないから、
ダメなんですって。
まあ、仕方ないけど現実的に考えるとそうだなって」
「俺、保証人やろうか?
ここの仕事は、定職にならないのかな?」
「阿部さん、絶対にダメですよ?
簡単に保証人とかになってハンコ押したら!
ここの仕事は始めたばかりで、
まだお給料日の前だし、
実績にカウントされないみたいでした」
「そうか…」
「もっと酷いのは、
ローン通らないこと、
先に不動産屋さんが聞いて、
勝手に他のヒトにあの部屋、
売ってしまったの。
だから、あのお部屋は、
どんなことをしてももう、
手に入らないです。
ガッカリしちゃいました」
「それは酷い」
「実家は賃貸契約しちゃったから、もう住めないし、
引っ越す予定だったお部屋も、
他の人が買ってしまったから、
私、住む処が無くなりました」
「やった!
じゃあ、ずっとここに居てくれるの?」
と優斗くんが言った。
「えっ?」
「お母さんも、まりあさんにここに居て欲しいって言ってたよ?」
「でも…」
「お父さんも良いでしょ?」
「あ…うん」
「あとは、お姉ちゃんか。
今日、帰ってきたらその話、したら?」
優斗くんは嬉しそうに話し続ける。
…でも、なんか、それで良いのかな?
また、望まれてもないのに、
流されてないかな?
阿部さん、私のこと、
どう思ってるのかな?
住む処もなくて、
仕方ないなって思ってるんだろうな。
私はどうなの?
優子さんはああ言ってたけど、
阿部さんとの将来って考えられる?