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縛られたい
第6章 雪解けの気配〜まりあ
斎場でのお通夜には、優斗くんとゆりあさんの学校関連の方が多くいらっしゃった。

私は葬儀会社の女性スタッフの方と2人で受付をしたり、
通夜振る舞いのお手伝いをしていた。

多分、葬儀会社のスタッフにしか見えなかったと思うし、
それで良いと思っていた。


杖をついた阿部さんのご両親様が来た時、
すぐに気付けて良かったと思いながら深くお辞儀をした。


お焼香の時は、
後ろにそっとついて行って、
杖を持って差し上げたりして、
別室にご案内してお茶をお出しした。


少しすると別室に阿部さんが来てくれて、
ホッとした気持ちになったのに、
「何しに来たんですか?」とご両親に向かって言うので、
私は思わず、
「阿部さん!
優子さんに頼まれて、
私がご案内したんです」と言ってしまった。


「えっ?」


「いつまでもグジグジ、言わないでください。
人間なんて、
いつ何があるかわかんないんだから、
仲良くしてください」と言いながら、
私は泣いてしまっていた。


阿部さんのお母様が、
「ああ、まりあさん、ごめんなさいね?」と、
ハンカチで涙を拭ってくれる」

「あ。
これ、近沢レース?
懐かしい。
ママが使ってたのと同じ柄です…」と言うと、
「これ、お揃いで使ってたのよ?
あの女子校はね、
みんなそう…」と優しく笑った。


「私はお転婆で…共学だったから…」と言うと、
「ほら、これ使ってて?」と、そのままハンカチを持たされてしまった。


「少し親子でお話しされては?
私、受付のお手伝いしてきますから…」と言うと、

「いやいや、子供たちだけ残しておくのは、
可哀想だろう?
私たちは、お茶を頂いたら失礼するから、
お前はあちらに戻りなさい。
まりあさん、少し付き合って頂こうかな?」とお父様に言われた。


そして、
「明日も来ても良いかな?」と阿部さんに声を掛けると、
阿部さんはお父様にそっと頷いた。
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