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縛られたい
第6章 雪解けの気配〜まりあ
葬儀告別式も無事に終わった。
阿部さんのご両親も参列してくださり、
荼毘に伏す時間もずっとご一緒に居てくれた。

お骨を拾う時も一緒にお手伝いしてくださっていた。

母の時と同じで、
治療に耐え続けていた優子さんの骨は小さくて脆くて、
それがまた、残された私たちを哀しくさせた。


「ご自宅でもう少し、お話しをされたら?」と言うと、
「オヤジ達が良いなら…」とぶっきらぼうに阿部さんは言うので、
阿部さんの車でご家族3人が先に自宅に戻って、
私はご両親様とタクシーで向かった。


ドアのチャイムを鳴らして、塩をお互いに掛けてから、
「あ、私は事務所の方から入りますので…」と言って、お2人を中へと勧めて、事務所の方に回った。


母屋に入って、
取り敢えずキッチンでお湯を沸かして、
紅茶を淹れる準備をした。


子供たちは部屋に入ってしまっていて、
阿部さんとご両親は無言のままだった。


そっと紅茶と合間に焼いておいたマドレーヌを出して、
「私、事務所の方に居りますので…」と言った。


どんな話をしていたのかは判らないけど、
多分、少しだけ雪解け…したようだった。


上から降りてきた優斗くんが事務所に顔を出して、
「まりあさん、なんか、オヤツあるの?」て訊く。
「マドレーヌ焼いてあるけど、
食べる?」と答えると、
「食べたい。
でも、まだおじいちゃん達とお父さん、
怖い顔で話をしてるよ」


「じゃあ、お茶を淹れ替えるふりして、
お菓子、こっちに運んで来て食べようか?」と言うと、
「僕、手伝うよ」と言ってくれた。



緑茶の準備をして、
先に紅茶を下げてから丁寧に淹れた玉露を出すと、
「まあ、美味しいわね」と褒められる。


「ありがとうございます」と言ってから、
阿部さんに、
「事務所の方で優斗くんの宿題、
やってますね?」と言って、
キッチンからマドレーヌとミルクティーをトレイに置いて、
事務所に運んだ。


優斗くんに頼んでゆりあさんにも同じものを運んで貰ってから、
事務所に戻って2人でのんびりお茶とお菓子を食べていた。
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