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縛られたい
第8章 公開プロポーズ〜まりあ
「えっ?
だって、小山さんのトコの次男さん、
逮捕されたんでしょ?」

「そっちが噂の出所ですか?」

「いえ…えっと…」

「示談にも応じてくれなくて、
前科者になったってぼやいていたわよ?」

「そこまで聴いてるんですか?
だったら、近所で物騒なってことじゃなくて、
その人、個人が物騒なだけですよね?
悪いことをしたら逮捕されるって、
当たり前じゃないですか?」

と言うと、2人とも黙ってしまう。


「お2人だって、お子様がそういうことされるとか、
飲酒運転の車に轢かれるとかしたら、
相手に対して厳罰を望みますよね?
そういうことですから。
それと、レイプされたのは、
ゆりあさんではなくて、この私です。
だから、ゆりあさんだなんて、
変な噂話、これ以上、流さないでくださいね?
お願いします」と頭を下げて家に向かった。



…今度は生意気な家政婦兼事務員のことを噂されるのかな?
と思ったら、
ちょっとうんざりはしたけど、
ゆりあさんが何か言われるよりはマシだと思った。



そしたら今度は、
阿部さんが奥さん亡くしたばかりなのに、
若い女を引っ張り込んでいるという噂話をしているらしい。


まあ、3人の耳に入らなければ良いかなと思っていた。


ゴミ出しとか、
家の周りを掃き掃除している時なんかも、
挨拶しても無視されるようになった。


なに、これ?
イジメ?

馬鹿みたいだと思ったら、
変な怪文書みたいな手紙がポストに入るようになった。

定規で書いたり、
新聞を切り取って切り貼りしたり、
一昔前の誘拐犯か?というヤツ。



非常に腹が立った私は、
防犯を兼ねてカメラを設置することにすると、
すぐに誰がやってるか判明した。


1人は一度お詫びと称して示談を無理矢理持ちかけてきた恭平っていうクズ男の母親で、
もう1人はゴミ出しの時に話し掛けてきたうちの1人で、
3軒ほど先の家の奥さんだった。


単独で来た時と、
2人で来た時があったから、
一緒にやってるのかもしれない。

さて、どうしたものか?
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