この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
縛られたい
第1章 まずはパソコンから始めよう〜まりあ
わざと明るい顔で続けた。
「時給はお安いんですよね。
資格取ったらアップしてくれるって言ってたけど。
でも、初めての仕事なんて、
そんなものなのかな?
学生時代の家庭教師の方がよほどたくさん頂いてました」
「時給、いくらだって?」
「1,200円スタートですって」
「ふーん。
それって、アルバイトとかパートだよね?」
「はい」
「それより多い時給出すから、
うちで働かない?」
「えっ?」
「あ…」
と言って、阿部さんは財布から名刺を取り出して私に手渡す。
「阿部…設計事務所…?」
「個人でやってる事務所なんだけど、
書類系の仕事、苦手で困ってるんだよね。
具体的には、ワードとかで請求書起こしたり、見積書作ったり…、
エクセルで図面用の数値を入れていったりするんだよね。
前は会社に居たから、
女の子がそういうのやってくれたけど…。
あ、女の子っていうか、
オバサンだけどさ」と説明を始める。
「何か予定がある日は休んでも良いよ。
納期の前とかは、ちょっと忙しかったり、
逆に全然暇だったりすることもあるけど、
基本的に、例えば平日9時5時とかの勤務として、
昼1時間休憩。
スタートは時給1,500円。残業はそうだな…10%増し。
休日出勤は、150%でどうかな?
交通費も出すよ?
試用期間終わったら時給アップするし。
どうかな?」
「ここなら…ここからバスで行けますね?
じゃあ…お願いしても良いですか?
あ…パソコンスクールで貰ったヤツで良いなら、
履歴書、お渡ししますか?」と言って、
白い封筒に入れた履歴書を手渡した。
「えっ?
いや、良いよ。
個人情報、書いてあるでしょ?
ダメだよ。
危ないよ?
こんな名刺一枚でオトコを信用したら…」
「えっ?
だって…。
阿部さん、悪者なんですか?」
「いや、そんなことはないけど」
「じゃあ、正式にお仕事に伺う日に、
あらためてこれ、お渡ししますね?
いつから伺いますか?」
「スクール、明日の金曜までだよね?
じゃあ、来週の月曜日からお願いしても良いかな?
住宅街で判りにくいから、
初日はここまで迎えに来るよ?
駅の裏側のロータリーに8時45分頃で良いかな?
あ、そうだ。
今日、家まで送るよ。
そしたら、車の色とか、判るから」
と、阿部さんは笑った。
「時給はお安いんですよね。
資格取ったらアップしてくれるって言ってたけど。
でも、初めての仕事なんて、
そんなものなのかな?
学生時代の家庭教師の方がよほどたくさん頂いてました」
「時給、いくらだって?」
「1,200円スタートですって」
「ふーん。
それって、アルバイトとかパートだよね?」
「はい」
「それより多い時給出すから、
うちで働かない?」
「えっ?」
「あ…」
と言って、阿部さんは財布から名刺を取り出して私に手渡す。
「阿部…設計事務所…?」
「個人でやってる事務所なんだけど、
書類系の仕事、苦手で困ってるんだよね。
具体的には、ワードとかで請求書起こしたり、見積書作ったり…、
エクセルで図面用の数値を入れていったりするんだよね。
前は会社に居たから、
女の子がそういうのやってくれたけど…。
あ、女の子っていうか、
オバサンだけどさ」と説明を始める。
「何か予定がある日は休んでも良いよ。
納期の前とかは、ちょっと忙しかったり、
逆に全然暇だったりすることもあるけど、
基本的に、例えば平日9時5時とかの勤務として、
昼1時間休憩。
スタートは時給1,500円。残業はそうだな…10%増し。
休日出勤は、150%でどうかな?
交通費も出すよ?
試用期間終わったら時給アップするし。
どうかな?」
「ここなら…ここからバスで行けますね?
じゃあ…お願いしても良いですか?
あ…パソコンスクールで貰ったヤツで良いなら、
履歴書、お渡ししますか?」と言って、
白い封筒に入れた履歴書を手渡した。
「えっ?
いや、良いよ。
個人情報、書いてあるでしょ?
ダメだよ。
危ないよ?
こんな名刺一枚でオトコを信用したら…」
「えっ?
だって…。
阿部さん、悪者なんですか?」
「いや、そんなことはないけど」
「じゃあ、正式にお仕事に伺う日に、
あらためてこれ、お渡ししますね?
いつから伺いますか?」
「スクール、明日の金曜までだよね?
じゃあ、来週の月曜日からお願いしても良いかな?
住宅街で判りにくいから、
初日はここまで迎えに来るよ?
駅の裏側のロータリーに8時45分頃で良いかな?
あ、そうだ。
今日、家まで送るよ。
そしたら、車の色とか、判るから」
と、阿部さんは笑った。