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初めてはお兄さんと
第1章 お酒に酔った勢いで
 私を見下ろしながら優しく聞いてくれるお兄さんの顔は、今まで見たことない表情をしていて、これが奥さんにだけ見せてる顔なんだと思うと、今見れていることに満足するとともに、堪らなく切なくなった。
 奥さんはこの表情を何度見たのだろう? これから何度見るのだろう? 私はこの一回しか見れないのに……。
 切ない思いが胸の中で塊になって邪魔をして言葉が出てこず、私はただ頷いた。
「ゆっくり動くけど、痛いかも」
 お兄さんの腰がゆっくり動き出す。お兄さんのモノがズリズリと動いている感覚が快感になるまで時間はかからなかった。
 その快感のままに腰を動かせば、お兄さんの動きが激しくなり、互いの息遣いや陰部を擦り打ち付けあっている音で部屋が満たされていく。
「あぁ、もう出そうだよ」
「私も、初めてなのに、イキそう……」
 お兄さんが覆いかぶさってきて、キスをしてくれた。舌が入ってきて、お兄さんと私の唾液が口の中で混ざり合う。
「出るっ。出すよ」
 口が離れて、切羽詰まったお兄さんの声が、絶え間なく奥を突いている肉棒が、私を絶頂へと押し上げる。
「お兄さん、好き、好き好き……。お兄さんので、イっちゃう……イクイク、イクゥ……」
 中に熱いものを吐き出されながら、私は痙攣し、初めて味わう快感を全身で受け止めていた。

 目が覚めると息遣いが荒く、確認しなくても割れ目から溢れそうなくらい蜜が溢れているのが分かった。
 時計を見ればもうお昼近くで、私は慌てて出かける用意をする。
 お兄さんはもう家を出た後だった。
 しっかりとメイクをして用意を整えると、私は外に出た。
 お兄さんと繋がるのは夢でしか叶わなかった。
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