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満ちる満ちる満ち足りる
第6章 彰と幸子の長い夜
幸子は終業後、鶴見と一緒に会社を出る
今日の飲み会は焼き鳥メインらしい

「先輩~私、諦めます。やっぱり結婚してるらしいです。彼、愛妻弁当食べてるみたいです。」

「そ、そう。」

幸子はヒヤッとする
愛妻ねぇ
そんな大それたものは作ってないし、彰が作ることの方が多い

向こうから男性が歩いてくる
どっかで見たことある顔だ

「久しぶり。」

元夫、誠だと分かるまでに数秒かかった 
少し太ったようだ
きっと幸せなのだろう
鶴見が先行ってますね、と気を効かせる

「こんにちは。この度はおめでとうございます。」

幸子はわざと他人行儀に接する
嫌みではないがあまり情報を耳に入れたくない

「ありがとう。そういえば彰と住んでるらしいね。」

知ってたんだ
ま、どうでもいいけど

「そうなの。じゃ、このあと飲み会だから。」

幸子は早足で先を急ぐ
元夫との会話なんて世界一無駄

居酒屋に着く
今回の飲みは一応、彰の歓迎会という名目だ

「彰くんの就任を祝して」

かんぱーい
幸子もジョッキで乾杯する
彰が上役に頭を下げて回っている
三原はというと、、
もう女子に取り囲まれている

幸子はため息をついた
もう恋なんてこりごりだわ
元夫に出くわしたのも追い討ちとなり
テンションが下がっていた

「三原さんの奥さんってモデルだったんですか?」

三原ガールズが騒いでいる
幸子は聞きながら一人で焼き鳥を噛み砕いた

「えーめっちゃ綺麗じゃないですかあ。」

女子たちがスマホで検索し始める

幸子が冷めた目で見ていると

「吉村ビール進んでないじゃん。」

松下が隣に座る
同期入社で、皆が転勤や転職していくなかで、なんだかんだ10年程のの付き合いだ
かつては松下と付き合っているのではないかと噂も流れた

「あたし、今日誕生日なの。」

幸子は今日で30歳になる

「じゃあ俺の豚バラあげるよ。」

松下は自分の豚バラを幸子の皿に置く

「さっき誠に会った。再婚するんだと。」

「だから不機嫌なの?」

松下が幸子のグラスにビールをつぐ
幸子は松下にもらった豚バラに噛みついた

「良い食べっぷりだね。」

幸子は短大卒で松下は大学院卒
同期ながら兄のような存在だった






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