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満ちる満ちる満ち足りる
第8章 ( *´艸`)
オフィスの昼休み
幸子はぐーんと背伸びをする

「あ~くたびれたあ。」

屋上で三原とたたずむ
風が心地よい
心が凪ぐ

「屋上最高。」

三原は煙草を吸う
幸子の頭を撫でて顎をくすぐった
幸子は飼い猫のように目を細める

「ペットになりたいです。」

「首輪、付けないとね(笑)」

二人がじゃれていると
入口から声がする

「三原さん、電話入ってます。」

松下だった

「ああ、分かった。」

三原が行ってしまう

「デキてんの?」

松下がしらけている

「せっかく良いとこだったのに。」

幸子は口を尖らせる
松下はこう見えて口が硬い

「さっき部長に呼び出されてさ、お前と俺は県外に研修だってよ。」

「日帰り?」

「泊まり。一泊。」

「オーリッチ(^o^)」

松下とは新人の頃に合宿なるものにいったきりだった

「久々だね。」

「だな。あ、良い店探しとくよ。」

もう晩御飯のことを考えているらしい

「ご飯が楽しみね。」

「それぐらいしか楽しみないからなあ。田舎らしいよ。講師がその辺だとかで。」

たまには田舎も悪くない。


研修前日の夜、幸子が家のソファーで寝そべっているとインターフォンが鳴る

「こんばんは~。」

男性の声だ
幸子が出ると松下が立っていた

「よっ。資料忘れてたぞ。しっかりしろよ~。」

「わざわざ持ってきてくれたの。」

「まあな。」

「サンキュー。」

松下は男性物の靴に目が行く

「誰か来てんの?てか、誰かと住んでる?」

幸子はうまくごまかせない

「吉村ゴルフとかしてたっけ。」

彰のクラブだ

「そ、そう最近始めたの。」

幸子はたじたじだった

「そいじゃ、おやすみなさい。」

幸子は強引にドアを閉めた
リビングに行くと彰が肉を焼いている

「はあーヒヤヒヤした。」 

「何で幸子の家しってんの?」

幸子は誠と住んでた家にそのまま住んでいる
誠が出ていく形になった
そういえば新婚の頃松下初め同期の仲間を招いたっけか

「付き合い長いからね。」

「やっぱりあの噂はマジなのか!」

「違うて。」

「俺はお似合いだと思うよ。」

「既婚者と似合ってもねぇ。」

「あの中年よりはましだろ。」

幸子は急に黙りこくる

「マジなのか?」 

「そうよ。」

彰が肉を食べなから目を見開いた



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