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第1章 隠れ湯

女将の楓は、４０代前半……

番頭の 源さんは、５０代後半……おもに、風呂場の掃除、力仕事担当であった…

仲居さんの 春香は、３０代後半……調理場、配膳、各部屋の掃除担当であった…

二人とも、主人が亡くなる前からの従業員であった……

２０人まで宿泊出来る、小さな宿であった……

二人部屋が、三部屋…五人部屋が、三部屋
十畳ほどの、囲炉裏のある広間……

風呂は、男女別の露天付き源泉かけ流し
そして、予約個室風呂が一つあった……
春は、桜……夏は、緑溢れる新緑……
秋は、もちろん紅葉……冬は、雪見酒なんて……
四季の顔を見せる静かな宿である……

山歩き好きな人達もよく利用してくれる宿であった……

今日もまた、山歩き好きの、中年親父の仲間が来てくれる予定だった……このグループは、旦那がいた頃からのお馴染みさんで、年２～３回は利用してくれた…
後は、若い女性の二人組であった……

旦那が、亡くなってからは三人で、少々忙しい感じがしていた……