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おはようのキスからおやすみのキスまで
第1章 朝
 宣告通り、伊吹はゲーム機の電源を切ってラグの上に放り投げた。
「……今度は俺に集中してもらうから」
「ん……」
「腕上げて」
 下手に逆らっても伊吹のSっ気に火をつけるだけ。だから渚は大人しく従う。けれど嫌悪感なんてものは全く感じていない。どんなにからかわれても、意地悪なことをされても、好きな人と肌を重ねるのはたまらなく心地がいいから。
 渚が両腕を上げれば、伊吹の手によってトップスを一気に引き抜かれた。露になった背中に伊吹は唇を寄せる。渚のふくよかな胸を揉みしだきながら、彼女の背骨に沿って慈しむような口づけを落としていく。生理的な涙を滲ませながら快感に身悶える渚の姿はこの上なく愛らしく、伊吹は燃え上がるような高揚感を覚えた。
 これまで幾度となく渚を抱いた。なのに、いつまで経っても彼女から初々しさが薄れることはない。物慣れない反応のひとつひとつに、いちいち煽られているのは本当は自分の方だ。その度に欲望がいきり立つ。普段は穏やかで控えめな渚を、自らの手でめちゃくちゃに穢してしまいたくなる。そんな破壊衝動にも似た欲情を、今まで何度押し殺してきたことか。幸か不幸か、鈍感な彼女は何も気づいてはいないが。
「……気持ちいい?」
 過度に苛めすぎるのも酷な話で、あくまでも問いかけは優しく投げ掛ける。
「…ぁ…っ……待って」
「待ってって何が……、あ、やべ……めっちゃ勃ってきた」
「や、待って」
「だから何が」
「す、すりすりしないで」
「は? ……あー、そういうこと」
 無意識に、自らのものを渚の柔肉に押し付けていたことに気づいた伊吹の口角が上がる。彼女のお尻に腰を押し付け、割れ目に沿うように屹立したものを上下に擦り上げた。
「ひゃ……ッ」
「仕方ないじゃん。好きな奴とくっついてれば男なら反応するって」
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