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訪問 保育士Natsu
第2章 同伴
「もう少し、楽しそうにできなの。あんたは」とNatsuはあの男の袖を引っ張って言った。

「・・・、う」と、あの男は真一文字に口を結んだままであった。

「顔にでるねー、ほんとにいやいや丸出しが。同伴なのだから普通に嬉しそうしなさいよ」さらに、

「ほんとに延長なしでいいからね。普通はするのよ。60分頑張りなさい」と慰めるように言った。

 あの男の足は重いから時間が掛かって、Natsuはいらいらした。

 がいちいち顔には出さない。

 そこは保育士さんで幼児が何事も時間が掛かって失敗も多いのが普通だからだ。

 駄々にはなれていたので、励まし励まし我慢強くあの男に接していた。

 引きずるように同伴でやっと店の前までは来たあの男とNatsuであった。

「やっと、着いたよ。ここがお店です。さあ、手を組んで仲良しで入りますよ」と腕をあの男に絡めて二の腕を乳房で押して密着させた。

 若い女の弾力ある硬さの胸の膨らみを感じたが、尚もぐずぐずしているあの男であった。

「自分が何でもいう事を訊きますと約束したでしょう。あんなことして、これで勘弁してあげるって言ってるのを、無下にするおつもりではないでしょーね」と腕を絡めたままで前に回ってあの男の耳元で囁いた。

 それで、漸くあの男は覚悟を決めたのか重い足を動かしてエレベーター前に進んだ。

 同伴というより恋人同士に見えるほど自然であったのは男女の仲になったからにほかならない。
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