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遠き隣人
第2章 赴任
3-Aと書かれた案内板を見上げながら、今だに感涙している江梨。
がらッと教室のドアを開けると江梨はヒョコっと顔を入れて中を覗き見すると、

『シーン』と静まりかえって生徒達は一斉に江梨のほうを見つめている。

江梨は軽く、コホッと咳き込むふりをしながら入室し、教壇に立ち生徒達を見回す。

女子生徒たちは緊張した顔つきとやけに落ち着き払った態度で、よもや新任には慣れっこみたい顔つきをしている。

普通ならこの辺で、生徒達は物珍しげに質問などしてくるものだ。

『先生ぇ〜。彼氏とかいるですかぁ〜♡』
などといった質問がよく一発目でされるのはお約束である。

江梨もそういった意味で質問されるのを想像し、答えをいくつか考えてきたが、どうやら無意味だったらしい。

《なんだか妙に静かなクラスに来ちゃったみたいね。》
出勤まえは偉く意気込んで、気合いを入れてきた江梨だったが、なんだか拍子抜けである。

『え〜それでは出席を取りま〜す。1番秋元さん・・2番秋山さん・・・』

『7番、え〜、大野絢子さん!大野さん?いないの』
すると日直が、
『先生〜。絢子は今日欠席で〜す』
『そぉ・・じゃあ後でお家に電話入れてみます』

すると、教室内が一斉にシーンと静まりかえり、皆顔を見合わせてキョトンとした顔つきをしている。素っ頓狂とした赴きで江梨を見つめている。
まるで鳩が豆鉄砲をくらったといった顔つきである。

《な、何なのかしら?私、何かしたかしら?》

『あら?・・6番の江藤沙織さん?昨日欠席になってるわね。大丈夫なの?風邪かしら?』

『先生、平気です。次、続けて下さい』
江藤沙織と呼ばれた女子生徒は、マスクをし少し暗い顔つきで俯き加減に下を向いている。

この学校の制服は、ブレザータイプで今巷で人気のある集団アイドルグループのような感じである。

『江藤さん。無理しないでね。リボン曲がってるわよ』
胸のリボンのシッポの長さが左右違っており、普通なら気づくとすぐ直すものだが、沙織は別段気にしてる様子もない。

江梨の授業はと言うと、初日にしては上出来で卒なくこなし、本当に今日が初めてなのか?と疑問に思うくらい堂々と毅然な態度で、安心してみていられるといった具合である。







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