この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
遠き隣人
第3章 若妻、江梨
江梨は何かを思い出したように突然口にした。
『前にいた担任の先生ってどうしたのかしら?詩織さんは何か知ってるかな?委員長だし』
詩織は驚いた様子で、資料を床にばら撒いていた。
『びっくりしちゃったかな?ゴメンね詩織さん』
そういって詩織の肩に手を添えるとピクピクと小刻みに震えている。
《なんでこんなに怯えてるのかしら!?》
『すみません、先生。突然だったものでびっくりしちゃった』
『何か知ってるのね?詩織さん。話して!』
『・・し、知りません!私、何も知らないから!』
慌てた様子の詩織は、その場から去るように
(いや、逃げだすという表現が的確かもしれないが。)
走りだして、消えてしまった。


今日1日、長いようであっという間だった。
江梨は湯船に浸かりながら、あれこれ考えていた。
毎日、1人虚しい。何がそんなに忙しいのかしらね?あの人。
旦那は相変わらず、まだ帰宅していない様子だった。

《知り合った頃は、どんなに忙しくても時間を作ってくれたっけ?》

それは、1年前の冬の事だった。
12/24。待ち合わせは夜の8:00。彼の住むアパート近くの公園でという事になった。

江梨はこう見えて時間は守るほうで、時間に遅れた事は今まで1度もない。
そんな江梨から見て、平気で時間に遅れる人の気がしれないと常日頃からおもっていた。

その日も、時間に余裕をもって、7:30には公園に来てしまっていた。
『ちょっと早かったかな?』

日はとっくに暮れ、周りは既に暗闇になっている。当たり前の事だ。冬だし、12月で今日は日本全国・・いや、世界中がウキウキしているクリスマスイブだ。

暗闇を見回して見ても、彼らしき人物は見当たらない。

《私が早すぎ?いや、もう7:50じゃない?来ていてもおかしくない。社会人なら約束の10分前に来るのは常識のはず。て言うか、仕事じゃないんだもんね。今日はデートだからね。忘れなきゃあ》

私は音楽を聞きながら待った。時間は8時を回り少しソワソワ…。しかしあの人は来なかった。
《イヤ…仕度に手間取っているのカモ。》
しかし時間は容赦なく過ぎ去って行き時間は9時を回る。
《まさか、忘れているんじゃないでしょうね?》
少し苛立つ。曲はRepeatされ再び始めから流れ始めていた。




/16ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ