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彼女に抱かれたい
第1章 初めての夜
……………
マイは心を躍らせていた。
心が躍る理由は、まだまだあどけなさが残る高校2年生によるもの。

怪我をして哀しい眼をしていたはずの少年は、懸命にリハビリに励み、今、あんなにもハツラツとした表情でレースをしている。

マイ自身、サトシの視線には気付いていた。
サトシが自分に好意を寄せてくれているであろうことも。

だが、歳は10も離れている…
そんな葛藤を心の中でしている中で、不意にサトシが放ったオジサンくさいセリフ。
…愛に歳は関係ない…

ありきたりなオジサンくさいセリフが、自分より10も離れた年下の少年から発されたことに、マイは不覚にもときめいた。
この少年を自分だけのものにしたい。
私だけを見て欲しい。
私に蕩けるような表情を見せて欲しい。
私のことしか考えられない程に愛したい。愛されたい。

マイは曖昧な返事しかしなかったが、少年は懸命にリハビリに励み、怪我を克服した。
そんな少年は「ご褒美ちょうだい。」と言わんばかりに期待の眼差しで、私をレースへと招待してくれた。
これは彼にとってだけのご褒美じゃない。私にとってもご褒美だ。

マイもまた、サトシに特別な感情を抱いていた。
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