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ノーサイドなんて知らない
第6章 引退、結婚とパパラッチさん問題
「お仕事でいらしてたのに…。
お名前出してしまって、
申し訳ありませんでした」と言うと、

「いや、こっちもしつこかったですよね。
申し訳ない」と答える。

「でも、一番、発言力ありそうな声かなと感じたので」と言うと、

「まあ、ベテランですから」と笑った。


「お化粧落としたのに、
よく判りましたね?」

「そんなに変わらないですよ。
あ、そうか。
それもわかんないんですね?」

「はい。だから普段も、
お化粧しないんです。
どこをどうするかも良く判らなくて」と言うと、
2人で笑ってしまった。


カフェまで送ってくれる。

心配そうに立ち上がって近付いて来るのが、
熊野さんなのは、
歩き方で判る。


「茉莉(めあり)、どうした?
この人は?
大丈夫?」と、
心配そうに言う。


「エレベーターでご一緒したの。
さっきの記者さんの、神田さん」

「見れば判るけど…」

「さっき、失礼な物言いしたから、
お詫びしたくて。
うちのクルーにも、
追い掛けないように言っておきますから。
他のレポーターたちにもね。
お幸せに!
それと、本当に素晴らしい奥さんですね?」と言うと、
神田さんは頭を下げてからスタスタと行ってしまった。



のんびり、海を見下ろしながら、
お茶を飲んでいると、
熊野さんがそっと手を握ってくれる。


「記者会見、頑張ったね?
俺より立派だったよ。
これで、追い掛けられないと良いけどな。
あの神田さんてヒトは、
記者っていうか、
名物有名リポーターだから、
発言力とか影響力ありそうだし、
しつこくて有名らしいから、
あのヒトだけでも追い掛けてこないのは良いことかもな」と笑う。


「病気のことも、言っちゃった。
薫さん、変なコと結婚したって、
言われちゃうかも」と言うと、

「変じゃないよ?
最高のコと結婚出来て、
俺、幸せだよ」と言った。


カフェの方が、
特別なプレートを運んできてくれて、
それを手にしたところを、
インスタントカメラで撮ってくれる。

熊野さんがスマホを出して、
そっちでも撮って貰ってから、
2人で食べた。

甘いのが苦手な熊野さんなので、
ほとんど私が食べることになってから、
お部屋に戻った。
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