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真夏の夜の夢
第9章 第八夜

健介が女に興味がないかと言えばそうでもなく
これでも学生時代はかなりモテていて
二股で女と遊んだものだ。

何よりも他の男に比べてナニがデカイのだから
一度抱いてやれば女は健介の虜になった。

しかし、調子に乗ったのがいけなかった。

コンドームなどの避妊具を使うのがイヤで
いつも生で挿入して
とどめに思いっきり中だしをしていたものだから
当時から釣りが趣味だった健介は
ある夜、釣り先で
ゆきずりでセックスをした女を孕ませてしまった。

互いにスマホの連絡先しか教えていなかったので
数ヵ月後、彼女から妊娠したと聞かされて
知らぬ存ぜぬを決め込み
スマホも解約して女との関わりをすべて消してしまった。

『あの女はどうしているかな?』

まあ、産むなり堕ろすなり好きにしろってんだ。

中だしをしたのは悪かったが
あの女だって中に出されるのが満更でもなかったじゃないか
それに、ずいぶんと遊んでいる女だったみたいだし
腹の中の子が俺の子供だと決まった訳じゃないだろうしな。

おっと…嫌なことを思い出してしまった。
いかん、いかん!
今は釣りの事だけに集中しなければ…

終業のチャイムが鳴ると共に
健介は意気揚々とマイカーに飛び乗った。


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