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妻の弟の妻〜夫の姉の夫〜
第3章 踏み込まれた一歩
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還暦祝いの席は無事に済み、片付けをしている最中のこと。

義母はキッチンへ。義父と妻と義弟、長女と長男はリビングへ。
俺と華だけが和室にいた。
華はスヤスヤ眠る健斗を抱いて座っている。

お皿の片付けやテーブルを拭くのを手伝い、俺が屈んでテーブルを拭いていると、華に話しかけられた。
「あ、お義兄さん、私やるよ。」
『いいよいいよ、慣れてるから。それより、健斗のこと、ありがとうね。重いでしょ?』
「ううん。すごく可愛い。」

突如、頬に華の手が添えられたかと思うと、チュッと唇が触れた。
「…今度は間接じゃないよ。女に恥…かかせないで。」

…恥?何のことだ?
状況が飲み込めずにキョトンとしていると、華は耳元で囁いた。











「お義姉さんから奪っていい?」












俺は心臓を撃ち抜かれたような気分がして、動悸がした。
さすがにその言葉の意味が分からない程鈍感じゃない。


『の、の、飲みすぎだよ。』
「これくらいじゃ酔わないのは知ってるでしょ?」

そう。それは知っている。
俺も酒は弱い方ではないが、華はとことん酒に強い。

ホントに飲む時は義父、義母、義弟がすっかり酔っても、俺と華は平気で飲んでいる事が多かった。


…正気かよ。
『…俺は何も聞いてない。』

そそくさとテーブルを拭いて俺はリビングへと戻った。
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