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第1章 夫婦生活

夜。
ビールが苦手で下戸な妻のあずさは、晩酌にもあまり付き合ってくれない。
子どもたちが寝てからは、3人の子のお父さんとお母さんではなく、恋人でありたいと思っていたが、現実はそう上手くいかないものだった。

(まぁ、いいさ。晩酌が一人なのを寂しがったところで、今更だ。)

明彦が布団に入って妻を誘ってみると
「眠い。」
その一言であしらわれた。

俺は、なんのために頑張っているんだろう…。
気が休まる日は少なく、気が休まるはずの今日は妻への休日付与のため家事をこなし、明日はまた仕事。

俺はATMでもなければ同居人でもない！
俺たちは夫婦であり、子どもたちの親だが、根底は恋人のはずだ。

俺はこんなに愛しているのに…俺の一方通行なのか？


明彦はやるせない気持ちと、満たされない欲求に包まれ、深いため息をついた。